ご挨拶

この度、2024年10月12日(土)に岩手県立中央病院大ホールにおいて開催される第15回日本医療マネジメント学会岩手県支部学術集会の学術集会長を務めることになりました岩手県立中央病院の宮田剛と申します。
昨今の医学・医療の進化・発展には目を見張るものがあり、以前はあきらめていた病気も克服できるようになってきました。ただしこの高度専門化した治療理論や医療機器のために、特化した訓練や教育を受けたスペシャリストを必要とするようになっています。各学会や各職域団体を中心にこのスペシャリストが育成、認定され、各人もプライドを持ってその専門性を発揮しているのですが、一方、地域医療の最前線では、様々な複合する疾患を抱える高齢患者さんの対応のために、幅広い知識と技術を持ったジェネラリストが求められています。どちらも大変重要な役回りではありますが、一人で両方を実現することは既に難しい時代です。思えば他の職種においても各局面においてこのジェネラリストとスペシャリストの育成や配置に苦慮されているのではないでしょうか。
今回の学術集会では、このスペシャルとジェネラルの課題を整理し、両者が最大限に活躍できる方策を考えるシンポジウムを企画しました。各職域におけるこの課題はどのような特徴があるのか、それを解消するにはどのような工夫が為されているのかをディスカッションします。
チーム医療という言葉は既に定着し、各職種が強みを持ち寄って成果を出しています。このチーム医療の中で情報共有や、後継者の育成に課題を持っている方々も多いかもしれませんが、そこになにかジェネラルスペシャル問題解決のヒントがあるかもしれません。この機会に多くの悩みや工夫を共有し、それぞれの議論を明日からの病院マネジメントに活かせたら良いなと思っております。
特別講演には栄養マネジメントという観点で多くの成果を上げられている東京医科大学病院栄養管理科長の宮澤靖先生にお話をいただく予定です。栄養のスペシャリストが病態改善だけでなく、チーム医療の要となる人材を育成し、病院経営の課題というジェネラルな課題に取り組んでいらっしゃいますので、大変楽しみにしております。
この課題に限らず、医療安全や感染管理、情報管理、パスなど日頃の医療マネジメントに係る演題を一般演題としても募集いたします。奮ってご応募いただきますようお願い申し上げます。

特に聞いて良かったと思える優秀演題は表彰させていただく事も考えております。是非、チャレンジしてください。では学術集会の場で皆さんと意見交換をし、何かを得る有意義な一日になることを楽しみにお待ちしております。

2024年3月吉日

第15回日本医療マネジメント学会岩手県支部学術集会
学術集会長 宮田 剛
(岩手県立中央病院 院長)